寒波
nonya


さしすせそ

歯に沁みる朝

凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す

たちつてと

舌で弾けない昼

すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込むと
ようやく溶け始める日常

かきくけこ

頬に突き刺さる夕方

北風に殴られ続けた耳に
アルコールを充満させて
こそこそと家路を辿る

なにぬねの

肌に馴染まない夜

干乾びた腹と背中を
凍てついた布団で包み
ひたすら体温を待つ

ざじずぜぞ

打ち寄せる寒い波に

まみむめも

丸まった眠りの石ころが
さらわれていく

なけなしの
夢を隠し持ったまま





自由詩 寒波 Copyright nonya 2012-01-14 11:47:08
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