寒波
nonya
さしすせそ
が
歯に沁みる朝
凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す
たちつてと
が
舌で弾けない昼
すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込むと
ようやく溶け始める日常
かきくけこ
が
頬に突き刺さる夕方
北風に殴られ続けた耳に
アルコールを充満させて
こそこそと家路を辿る
なにぬねの
が
肌に馴染まない夜
干乾びた腹と背中を
凍てついた布団で包み
ひたすら体温を待つ
ざじずぜぞ
と
打ち寄せる寒い波に
まみむめも
と
丸まった眠りの石ころが
さらわれていく
なけなしの
夢を隠し持ったまま