父の書斎
日野
父さんの
大きな椅子に 身をまかせ
交わる線路
眺めてる
小さな列車
僕は乗れない
だけど僕は
トンネルじゃない
小さな列車
本棚のぼる
壁のお面の
瞳がつづく
窓からのぞく
シルエット
皆でお酒を飲んでいる
さあ皆様
おんぼろ列車に祝福を!
階段のぼる
音がして
小さな列車
消えていく
僕の名前が
呼ばれたかしら
どちらにしろ
ドアをあけても
隠しても
あなたの瞳は
すずめと同じ
自由詩
父の書斎
Copyright
日野
2012-01-11 23:10:53