形骸の式典
村正

誰かだった人々が集まり
仲間入りを果たす
誰かが口にしている
今日はめでたい日だと


この町で一番偉い男が
毎年同じBGMを話す
何かを祝っている
群集もそれにならう


はみ出した者たちが
まだ自己を悪で示す
いつもと変わらぬ朝に
肩書きは変わったというのに


様式美あってこそと
飾ることで悦に浸る
幹は痩せほそり
葉は枯れ落ちるのを待つ


傾げる者はいない
意味は霧の中へ消えた
一様の同じ肩書き
一般は掟になりすます


華やかにそして愉快に
平坦にすぎゆく
抜け落ちたまま始まり
気に止まらず終わる


誰かはまだ誰かのまま


自由は背にあると知るとき
なきがらに気づく
覚悟をするそのとき
肩書きは価値をもつ


自由詩 形骸の式典 Copyright 村正 2012-01-11 03:17:01
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