てのひら
T.L

時とは寂しい
この地面に落ちていった葉っぱも
さわさわと生きていた
黄金色の頬を
なびかせているあの草むらも
あおくあおい雲を柔らかに包んでいた

てのひらもそうさ
結び合うことでかたちがつくられる
かたちは暖かさをもとめて柔らかさになる

てのひらが離れると
ぼくの外側がいっきに流れ込み
そこにあったひとは儚くなる

時とは寂しい
そして美しい刃物
ぼくは削がれてひとひらの葉を落とす


自由詩 てのひら Copyright T.L 2012-01-09 22:32:19
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