『アメジスト・エレスチャル』
あおい満月
透明な紫色の雨の彼方には
どんな力が潜んでいるのか
癒されたいだけのために
手にするのではない
その瞳のなかにある
物語が知りたい
酩酊も悪い夢も吸い取って
あなたは深く静かに輝く
そこには、
どんな時間が刻まれているのか
わたしはその背中をゆっくりと撫でる
触れられる事が苦手なあなたを
冷たい水でさらりと洗い
月の光の下に差し出す
再び胸元に帰って来るときは
また夢を飲み干してください
わたしだけに
煌めくように
静かに微笑む
アメジスト・エレスチャル
二〇一二年一月九日(月)