鳥たち
シホ.N


笑いながら僕らの内部から
ななめうしろに
バタバタ飛んでいった鳥たち

そうだった
僕らに絶対はないのだ
絶対がないことの再認に
僕らと鳥たちのあいだにある
みえない影法師を見よ

愛すべき鳥たちを射るために
照準すえて
今はまさに
ななめうしろを前とする

鳥たちを大地の底に埋めるときには
土くれつかみ掘り進む
その方向が前である
それ以外の決めごとは存在しない

飛ばないし進まない
生きないし死なない
笑いつづける鳥たち
とともに
僕ら進まず
問いかけの言葉も思考ももたずに
ただたわむれる
なにかのためにはなにもせず
ただたわむれのためのたわむれを
笑いつづける鳥たちと


自由詩 鳥たち Copyright シホ.N 2012-01-08 00:24:38
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