辛い涙
桜 歩美

しんどくてしんどくて

もう一歩先が真っ暗で

私の人生もう駄目だってさえ思えた



ずっとずっと病院で

夜になると涙が出てきて溢れて止まらなくて

でも隣りに誰もいなくて



家族の温もりがとても恋しくなったけど

呼んでも誰もいなくて



体だけが痛くて

どうしてもそこから抜け出せなくて

辛い涙で過ごしたこの数ヶ月間



やっと痛さも抜けてきた

時折痛みは残るけど

家に帰ってきたときの

君の笑顔が私を癒す



「おかえり」って待ってる君のその笑顔

いつまで経ってもお母さんのことを

待っているんだね

ありがとう



そっと君のこと

お母さんから離そうと

この頃試みている

君は大げさなリアクションで

私の興味を呼ぶけれど

小さく笑って見ないふり

しばらくすると

自分で自分のこと

ちゃんとやっている君がいる



母よ泣いている場合じゃないぞ

息子はちゃんと自立しようと頑張っている

息子に心配かけないように

体に気をつけて

しっかりと笑顔で毎日を送らなきゃ



自由詩 辛い涙 Copyright 桜 歩美 2012-01-07 21:16:37
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