連作。。。いつの間にか遠くに。。。
永乃ゆち






「思い出」

幼い日シロツメクサを胸元で揺らした君は永遠でした

枕木が苔むしていて少年は永遠などはないことを知る

誰でもが大人になるのをためらって残酷の中成長してく

爪を噛む癖がついてしまったらオアシスのない旅が始まる

ブランコを漕ぎ出す勇気が持てなくて胸のあたりで冷める合鍵

「愛憎」

球体にくぎ打つような恋愛に私は何を求めたのだろう

傷付いて傷付けあっていつの日かコールタールに花の咲く時

つま先を並べたベッドに月明かり優しく影を落としてく夜

思い出を数えてみても意味はない愛してたことそれが全てで

吸い殻が九の字に曲がってあの人の心変わりを暗示している

「結婚」

平凡な主婦です。大事にされてます。だけど消せないメールがあります。

青空に両手透かして見上げれば短い爪をあなたが褒める

高校の音の外れたサックスをBGMに君を待つカレー

あなたとは他人でしたね例えればタオルの畳み方一つでも

今までもこれからもずっと変わらずにあなたの為にお米を炊くの


短歌 連作。。。いつの間にか遠くに。。。 Copyright 永乃ゆち 2012-01-07 03:58:24
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