「思い出」
幼い日シロツメクサを胸元で揺らした君は永遠でした
枕木が苔むしていて少年は永遠などはないことを知る
誰でもが大人になるのをためらって残酷の中成長してく
爪を噛む癖がついてしまったらオアシスのない旅が始まる
ブランコを漕ぎ出す勇気が持てなくて胸のあたりで冷める合鍵
「愛憎」
球体にくぎ打つような恋愛に私は何を求めたのだろう
傷付いて傷付けあっていつの日かコールタールに花の咲く時
つま先を並べたベッドに月明かり優しく影を落としてく夜
思い出を数えてみても意味はない愛してたことそれが全てで
吸い殻が九の字に曲がってあの人の心変わりを暗示している
「結婚」
平凡な主婦です。大事にされてます。だけど消せないメールがあります。
青空に両手透かして見上げれば短い爪をあなたが褒める
高校の音の外れたサックスをBGMに君を待つカレー
あなたとは他人でしたね例えればタオルの畳み方一つでも
今までもこれからもずっと変わらずにあなたの為にお米を炊くの