とおりあめ
灰泥軽茶

これは嘘の雨

かろやかなハリボテのよう

びゅうびゅうびゅうびゅう

大袈裟な風

ナナメヨコマエから

パサパサ顔を撫でる

コソバイぞ

向こうの空は晴れていて

なんて綺麗な青空なんだろう

全速力で雨雲をかけ抜けていけば

ぬたっぬたっとアマアシは追いかけてくる

無数のアマツブが衣服に沁みこみ身体を伝っていき

ぼくはモグラだモグラだから

じっと雨宿りをしよう

じいっとまるまり眺めていると

向こうの空から

少しずつ少しずつ

流れてくるアメイロノ風

草花の甘い香りがしたかとおもいきや

一瞬の無音あとの眩しい光りは

かろやかなスポンジで

なにもかも吸ってくれるような気分だなぁ




自由詩 とおりあめ Copyright 灰泥軽茶 2012-01-04 02:43:44
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