馬とオレンジ
吉岡ペペロ

あたしはお母さんを待っていた

喫茶店で待っていた

いっしょにお昼を食べる約束をしていたからだ

この近くには乗馬倶楽部がある

あとで乗ってみようか

お母さんがやって来た

オレンジの作業着がぴかぴかだった


お母さんは勘がいい

スポーツも園芸も料理もなんでも出来る

記憶力もバツグンだ

まるで誰かに面白い話をするために

いろんなことして生きてるみたいだ

お母さんの話を聞きながら

今晩裾を直してあげようと思った

針と糸をあやつる自分を想像した

なぜだか馬で駆け巡る気持ちになった

オレンジの作業着のうえで

針と糸をあやつる想像をして楽しんだ

なんどでも馬で駆け巡る気持ちになれた


あたしはお母さんを待っていた

喫茶店で待っていた

いっしょにお昼を食べる約束をしていたからだ

この近くには乗馬倶楽部がある

あとで乗ってみようか

お母さんがやって来た

オレンジの作業着がぴかぴかだった








自由詩 馬とオレンジ Copyright 吉岡ペペロ 2012-01-03 19:43:24
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