『砂時計』
あおい満月

頭のなかで
鳴り響く砂時計
さらさらと
安住を諦めた瞳が
仰ぐのは暗い天井
流れ込むサーチライトが沁みて
わたしは
眠りの淵に辿り着けない

どんな朝が来るかも知らずに
光と闇の間で目を覚ませば
冷たく光る石が
指先に濡れている

わたしはわたしを
覚えているのだと
また同じ時間を生きれるのだと
ありきたりな奇蹟に
謝礼する

確実なことを忘れていく
わたしの右側は
沈黙を思慮する度に
立ち眩む
わたしはまだ
わかいということ

確実に流れる砂時計が
錠剤の脱け殻になり
風に凪ぐ

                       二〇十一年十二月二十二日(木)


自由詩 『砂時計』 Copyright あおい満月 2011-12-30 13:29:20
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