十二時のしずく
望月 ゆき

一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で


洗いながしたのは
遠い遠い
約束
落ちたしずくは
皮下深い底へと
滲みて
消える


なにもなかった
かのように
毎日はつづいていく
なにもなかった
わけではない
今日のしずくを
れんけつして


さよなら
またね
さよなら



テールランプみたいに
笑う




自由詩 十二時のしずく Copyright 望月 ゆき 2004-11-27 01:06:07
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