ゆきがふる
灰泥軽茶
高い空から
ゆっくりゆられ
ゆっくりゆられ
落ちてきた
ひとひらのゆきのかけらは
頬をひやりと撫でて
消えていく
耳奥のずっとまだ奥の
しぃーんとした
暗い森の広い湖では静かに
歓喜が波動し
ひとひらのゆきのかけらは
ゆっくりゆられ
ゆっくりゆられ
そっと不時着しぷかりぷかりと浮かぶ
上を見上げれば
あとからあとから
ひらひらくるくる
ひらひらくるくる
ゆきかなゆきかな
嬉しそうな顔がはにかみよこぎっていく
遠く空の向こうの山を眺めれば
あぁ産毛がわさわさ喜び積もる山肌
そぅっと
ぷかりぷかりと浮かぶ
ひとひらのゆきのかけらは
真白に煌めき沈んで消えていく