きずな
nonya


熟成した
ありがとうの肩越しに
平坦な
おはようとおやすみの隙間から

垣間見える結び目

熟練した
ごめんなさいの背中に
平熱の
いってきますとただいまの文字間から

透けて見える結び目

見過ごしたふりをしながら
ひっそりと暮らしを紡ぐ
遠火の安堵をまとったまま
こっそりと歳を重ねる

プレゼントを飾る
蝶々結びではないけれど
人を小躍りさせる
流行り物ではないけれど

執拗な風雨に耐え
決して解けることがない結び目

少しだけ照れながら
やわらかく繋がって
またひとつ川を渡る

少しだけ口ごもりながら
ぬくもりを巡らせて
新たな岸辺に這い上がる




自由詩 きずな Copyright nonya 2011-12-28 23:43:41
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