なないろの言葉
まーつん


言葉を追いかける
僕は椅子に腰かけ 瞑目して
その思いは 頭の中で 駆け足をしている
言葉は闇に走る 七色の光の筋
僕に誘いかけてくる さあ 捕まえてみなさい と

そんなことは しない方がいいと
心が走り出したら 眠れなくなるからと
理性がそう 忠告してくるのだが
悲しいかな 僕は馬鹿なのだ
七色の言葉を(文字を)
追いかけてしまう

パジャマに着替える時も
歯を磨く時も
寝床に 潜り込むときも

僕の目は探している
己が内を
個という暗がりの中を
光がよけて通る場所を 探している
この灰色の現実世界を 美しく照らしてくれる
七色に輝く 言葉達を

それは夜光色の 蝶に似て
草むらの上に ひらめいている
その 押しつけがましさのない
蠱惑的な 滲む色合い
僕は虫取り網を持って ここに立つ
七色の言葉を 針でがくに留めつけ 見世物にするために


自由詩 なないろの言葉 Copyright まーつん 2011-12-25 22:52:30
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