静寂
清風三日月
クリスマスイブを
目前に控えた
金曜の夜…
荒川の河川敷に
腰を降ろし
景色を眺めた。
水面に映る夜景
点灯されたスカイツリーが
とても美しい
寒いのは苦手だが
冬の夜は好きなのだ。
漆黒の闇を切り裂く
星の閃光
冷えた空気が
静寂を奏でる
まるで己のみが
この世に存在するかの如く
辺りは静まり返る
そんな時…
遠くからバイクの走る音が響き
ふと我にかえる
気付くと鼻歌を
歌っている
曲は君とよく歌った
あの歌だ
君との思い出が
溢れるように
脳裏を占拠し
なぜか微笑んでしまう
目の前に広がる
夜景に星空
懐かしい歌に
少し幸せな気持ちになれた
さぁ家に帰るか!
そう思った瞬間…
再び静寂が広がった
今ならサンタの
足音も聞こえそうだ
君の足音も聞こえないかな?
何度も言うが
冬の夜は好きなのだ
静寂が辺りを包む。