白い時間は闇の中で
空中分解

蛇行した道を

ただ車に乗って眺めているようで

反芻する言葉は

上着に突っ込んだ両手の震えを

幾分も楽にしてくれない

街は雪で白くかすみ

遠くに見えるビルの頂は

その中に消えて行く

街灯に照らされた

人々の黒い影の

深い霧のような足音も

悪臭を放つ

家々の夕食も

ここまでは辿り着けない

白い夜は静まりかえり

車輪のあとはもうみえない


自由詩 白い時間は闇の中で Copyright 空中分解 2011-12-23 16:40:13
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