つくば
……とある蛙

小高い丘に向かってだらだら延びる道
リードを着けた猫と一緒に
だらだらと線引き
一呼吸ごとに振り返り督促する猫
漸く丘の端にかじりつき
突き当たりのフェンス越しの滑走路
滑走路を飛び立つ赤とんぼ
フェンス脇の直線一〇〇〇メートルを並走する。

空には秋の雲 
薄の穂の遙か頭上 旋回する赤とんぼが見える
滑走路越しに見える格納庫
ゆったりと軍用の輸送機が引きづり出される
滑走路の端の所定位置の鎮座して
風見鶏、管制塔の遙か彼方の山脈(やまなみ)
つくば
遮るもの無く望める筑波山
関東平野のおできのような霊峰筑波山
古には不二と覇を競った筑波山
その山頂には昔も今もたくさんの人が集う

突然冬の空が落ちてくる
その時透明な大気越しに
ハッキリ遠方から男体山女体山が目に入ってくる。
空気が透明であったこともその時知った
その山麓には言うまでもなく四六の蝦蟇が眠るのだ
四六の蝦蟇が眠るのだ


自由詩 つくば Copyright ……とある蛙 2011-12-21 12:26:43
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