マショマロ
灰泥軽茶

起きて 動いて 眠る
起きて 動いて ただ眠る
はっと目が醒めれば 
朝なのか 私は誰なのか たじろぐ

ただ淡々と過ごす日々は
だんだん世界が甘く柔らかくなっていき
マショマロのようだ

甘くて柔らかい毎日は
順調で半笑いで何事もなく過ぎていき
季節の変わり目に身体を少し崩すぐらいだ

しかし
空っぽのペットボトルが
カラコロ カラコロ
転がる鳴る音聴けば
耳の奥に響いて
カラコロ カラコロ
さらに奥のがらんどうな心に響いて
なんて自分は淋しい人間なのかと愕然とする

ただ
あぁこの虚無感が私の拠り所なのかと
生来好んできた場所へと
ゆっくりとゆっくりと
時間をかけて時間の感覚は無くなり
私の煩悩はふわりと着地する

人が集まり行き来する
大きな駅へと疾走し
様々な人を眺め
誰も知らない
誰にも知られていないことを
痛切に肌身感じ
家に帰り
柔らかいマショマロに身を包み
ただ眠り 明日を予感する















自由詩 マショマロ Copyright 灰泥軽茶 2011-12-21 00:58:04
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