感情2号線
めー
歩く。感情が、降っている気がする。誰もが、素通りしようとして濡れている。何事も、音速を超えない。感情1号線を歩く。まるで、ひとつの人生を歩くように感情2号線まで歩いてそして、感情3号線が見える頃には、悲しみ方を知ってしまった。
こぼれそうなものの、こらえ方は、いまだにうまくならないけれど。
立ち止まる。感情が、降っている気がする。癒せない傷跡などないというように、圧倒的な量が、時間とともに落ちてくる、気がする。場所が、あやふやになって、あやふやなままあふれてゆく。1号線を歩く。深呼吸から呼吸が抜け落ちて、何も残らない。その、何も残らないが一人で、2号線に乗り換える。
僕はまだ、ひとつの人生も、歩き尽くしていないけれど。