夢の中
砂木

ゆく指に かけられた
白い泣き霧

すねを 親から離した
裸足が 蹴り 蹴り歩く

ツノから逃げて おいでなさい
こんこんとわいて おゆきなさい

通い寄り落ち ほこらの辻道
古い人 笑う手 澄ます耳

急いでも 急いでも 追いつけない
でも 急いで

角を曲がったら 
ああ 緑が綺麗

ちりちり 鈴の音がする
どこからか うかがう気配

のみこまれなかった 指にかける
白い お守りの糸

守られ続けて ずっと守られ続けて

ガラスに響く 
見送る 瞳 

げん ぺい にい だ
げん ぺい にい だ


自由詩 夢の中 Copyright 砂木 2011-12-16 22:49:34
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