師走
はるな
この街の雪はべったり重く
ささやきが凍るほど冷酷だ
あなたは出てゆき
わたしはここにいる
あなたのことを愛していたらよかったね
あなたがわたしを愛してたみたいに
しらない人びとが
しらない空気をかき回している
重たくつめたい十二月を
半端な靴であるきまわってさ
あなたは出てゆき
わたしはここにいる
なんにもなくしていないのに
驚くほどつめたい部屋
かなしさは
いつのまにか降りつもるものね
せめてあなたを思うときには
誠実さを捨てて
何くわぬ顔で泣いてみる
そのぶん
ちゃんとかなしくなれるようにね