師走
はるな


この街の雪はべったり重く
ささやきが凍るほど冷酷だ
あなたは出てゆき
わたしはここにいる

あなたのことを愛していたらよかったね
あなたがわたしを愛してたみたいに

しらない人びとが
しらない空気をかき回している

重たくつめたい十二月を
半端な靴であるきまわってさ

あなたは出てゆき
わたしはここにいる
なんにもなくしていないのに
驚くほどつめたい部屋

かなしさは
いつのまにか降りつもるものね

せめてあなたを思うときには
誠実さを捨てて
何くわぬ顔で泣いてみる
そのぶん
ちゃんとかなしくなれるようにね





自由詩 師走 Copyright はるな 2011-12-14 02:16:50
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