零時皆既月食
灰泥軽茶

真夜中自転車を走らせ
小さな橋の上から
欄干に身体を預けのけ反る

晴れた夜空のてっぺんに
仄かに橙月がぶらさがる

雲ひとつなく銀河の河から流れる
ホシボシの瞬きは淀みなく美しい

だからなのか
ぽてりとぶらさがる
ぷらすちっくのおもちゃみたいな月は
親指と人差し指でつまめちゃいそうだ



流れ星がひゅぃっひゅぃっと
空に
この速さでとべばきっととべるよ
と一瞬と一瞬を足したような
希望を描いて消えた

そうしているうちに
ちらりほらりと
いつものお月さまが顔を出してきた

あぁとても眩しくて綺麗だなぁ
生まれ変わったような心地だよ








自由詩 零時皆既月食 Copyright 灰泥軽茶 2011-12-11 00:39:34
notebook Home 戻る  過去 未来