しくみ
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つめたい空気を吸い込んだ
早朝の僕を見つけてくれてありがとう
昨日は月の光を追いかけて
ハルモニアの響く場所をを目指して歩いたの
(きのう月の年齢を数え始めた)
つめたくて尖がっていた僕に
先のまあるいはさみを突きつけた
「最高でしょ?あなたはまだ死ねないの」
アルコールが抜けていくたびに
月の光が頼りない
ハルモニアは
朝と夜の入れ替え作業を
何回見ていたのだろう
(失礼ですが、いまなんさいですか?)


僕は何も足りていない。そんなことを考えていたら、足が崩れるし、首は落ちるし、本のなかみたいにさ、僕を文字でしか認識できなくなっちゃって。文字数も足りなくなっちゃって。僕をあらわす文字は、一体全体何文字で足りたことになるんだろう?って、ボーっとしていたら、いつも



しかいなくなってしまう。それで、いつも洋服や、高い靴や、理論で武装しなきゃいけなくなってしまったのに。僕が満ちるまで、ずっと、足りていない、くしゃみをしたら裏表逆になってしまいそうでね、とても怖いんだけど、僕はまだ死ねないそうです。



友達は月に行ってしまった
友達は見えなくなった
友達は火星を目指した
友達は聞こえなくなった
友達は太陽の黒点をつかんだ
友達はもういなくなった








自由詩 しくみ Copyright c 2011-12-06 03:42:12
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