降誕祭の不思議
非在の虹

ひゅうひゅうとうなる電線に
歳月の涙をひっかけ
贈り物を待っている貧しき子供ら。
聖誕祭の晩はひときわ北風がつめたかった。
だが見よ
子供らの頭上にほしぼしはこんなにも輝く。
その中の一つの光
ひときわ目にもしるい星
にわかに北を指す動かぬ星からの光に
大いなる黄金の雨ふるごとく
物みなすべては包まれた。
ようやく目を開いた子供らは
あまたの贈り物が
そこここにあふれているのを見るだろう。
庭に 道に 屋根の上に雪の上に。
ああこんなにも。
この想い深い不思議はなにか。
たれも理解出来ない。
子供らしか知らない
降誕祭の晩の不可思議だ。


自由詩 降誕祭の不思議 Copyright 非在の虹 2011-12-05 15:04:18
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