「カリヨン」+「ケロヨン」
乱太郎
「カリヨン」
乱太郎
さっきまでの淋しさは
何処に
さっきまでのうっとうしさが
消えていく
そばにいるのは詩集ひとり
コスモスの言葉の押し花
風が運んできて
蜜蜂になった僕ひとり
これから何処に飛んで行こうか
涙も詰めて
これからは見えないはずはない
いらいらも捨てて
傍に携えているのは君ひとり
遠くでカリヨンの響き
海に向かって
白い砂になろうと僕ひとり
「ケロヨン 」
あおかぜかおる
さっきまでの恥じらいは
何処に
さっきまでの純真は
消えてゆく
そばにいるのはペコちゃんひとり
マンモスの言葉の化石
暴風がぶっ飛ばしてきて
蜂蜜になった僕ひとり
これから何処の店入ろうか
すすきの
これからは隠せないはずはない
悶々もともに
傍らに携えているのは切符一枚
遠くで汽笛が鳴る
幸福行きに乗って
白い骨になろうと僕ひとり