「カリヨン」+「ケロヨン」
乱太郎

「カリヨン」

                 乱太郎

さっきまでの淋しさは
          何処に

さっきまでのうっとうしさが
          消えていく


そばにいるのは詩集ひとり
コスモスの言葉の押し花
風が運んできて
蜜蜂になった僕ひとり

これから何処に飛んで行こうか
            涙も詰めて

これからは見えないはずはない
            いらいらも捨てて

傍に携えているのは君ひとり
遠くでカリヨンの響き
海に向かって
白い砂になろうと僕ひとり




「ケロヨン 」

               あおかぜかおる

さっきまでの恥じらいは
何処に

さっきまでの純真は
消えてゆく

そばにいるのはペコちゃんひとり
マンモスの言葉の化石
暴風がぶっ飛ばしてきて
蜂蜜になった僕ひとり

これから何処の店入ろうか
すすきの

これからは隠せないはずはない
悶々もともに

傍らに携えているのは切符一枚
遠くで汽笛が鳴る
幸福行きに乗って
白い骨になろうと僕ひとり



自由詩 「カリヨン」+「ケロヨン」 Copyright 乱太郎 2011-12-02 16:31:33
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