月の囁き
菜穂

命は生まれ、命は消える
終わりなき命の連鎖には
百の千の虚しさがある

無駄な命など無いさと
何度も自分に言い聞かせてみた

人の意識に留まる事もなく
人の心に残る事もなく

理解される事もなく
愛される事もなく


不器用にしか生きられない自分に
今更ながらに気づいたりもした


人の心に留まる術を知らず
人に愛される術を知らず


孤独を癒せる物など無いと
何度も自分に言い聞かせた


それでも自分らしくある事が
生きていくという事なんだね


月はそれを知っていた
闇はそれを知っていた

いつも耳元で教えてくれていた
囁くように
呟くように・・・


自由詩 月の囁き Copyright 菜穂 2011-12-01 21:38:25
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