コトノハ
菜穂

言葉は
人の心を犯す細菌にもなる

心の中と言う 見えない場所に
どうにもならない感情を巻き起こさせる

時に 心を感動に導く事もあるが
人はどうしても 苦しみに焦点を当て
いつまでたっても残り続けてしまう

自分が放つ言葉の意味が
受け止める相手にとって凶器になるのか

胸熱くなるような
喜びに満ちた言葉として届くのか

放たれた先の事まで
考える人はあまりいない

それは自分も同じで
知らぬうちに傷つけている事もあるだろう

見えない言葉と言う 音の羅列が 
細菌より勝る生き物なのかもしれない

そんな事を考える夜は
少し理屈っぽくなった音を放っていた



自由詩 コトノハ Copyright 菜穂 2011-11-29 21:46:00
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