コトノハ
菜穂
言葉は
人の心を犯す細菌にもなる
心の中と言う 見えない場所に
どうにもならない感情を巻き起こさせる
時に 心を感動に導く事もあるが
人はどうしても 苦しみに焦点を当て
いつまでたっても残り続けてしまう
自分が放つ言葉の意味が
受け止める相手にとって凶器になるのか
胸熱くなるような
喜びに満ちた言葉として届くのか
放たれた先の事まで
考える人はあまりいない
それは自分も同じで
知らぬうちに傷つけている事もあるだろう
見えない言葉と言う 音の羅列が
細菌より勝る生き物なのかもしれない
そんな事を考える夜は
少し理屈っぽくなった音を放っていた