楽園
Seia
時計台の裏側から
針が回るのを見てみれば
この世界の裏側から
時が過ぎるのを見るようで
次元が違うところにいるような
不思議な感覚に陥る
思えばこの世界は
時が過ぎるのを
前提として
進んでいるようで
少しうんざりしたりする
ピンク色のネコが
メトロポリスの
エスカレーターを降りていく
ビルからビルへと
剥き出しの
エスカレーターを降りていく
それは人工の谷底のようで
あのネコは
どこに向かっているんだろう
摩天楼の屋上から
空に光るものを見てみれば
この世界の外側から
意味を見出だされてるようで
宇宙にゆらゆら漂ってるような
不思議な感覚に落ちる
思えばこの世界は
意味を探すのを
前提として
進んでいるようで
少しうんざりしたりする
ピンク色のネコが
スペースシップの
コックピットに乗っている
星から星へと
ワープする
コックピットに乗っている
それは生命の種子のように
あのネコは
どこに向かっているんだろう
あのネコは
何を探しているんだろう
植物園の硝子越しに
踊る蝶を見てみれば
この世界の底辺から
理想郷を垣間見るようで
意識の先を現実化したような
不思議な感覚に陥る
ピンク色のネコが
色鮮やかな
森でこっちを見ている
ピンク色のネコが
曇りのない
眼でこっちを見ている
あのネコは
楽園を探していたんだ
遠い場所から
私を呼んでいる気がした