楽園
Seia


時計台の裏側から
針が回るのを見てみれば
この世界の裏側から
時が過ぎるのを見るようで

次元が違うところにいるような
不思議な感覚に陥る

思えばこの世界は
時が過ぎるのを
前提として
進んでいるようで
少しうんざりしたりする


ピンク色のネコが
メトロポリスの
エスカレーターを降りていく

ビルからビルへと
剥き出しの
エスカレーターを降りていく

それは人工の谷底のようで

あのネコは
どこに向かっているんだろう


摩天楼の屋上から
空に光るものを見てみれば
この世界の外側から
意味を見出だされてるようで

宇宙にゆらゆら漂ってるような
不思議な感覚に落ちる

思えばこの世界は
意味を探すのを
前提として
進んでいるようで
少しうんざりしたりする


ピンク色のネコが
スペースシップの
コックピットに乗っている

星から星へと
ワープする
コックピットに乗っている

それは生命の種子のように

あのネコは
どこに向かっているんだろう

あのネコは
何を探しているんだろう


植物園の硝子越しに
踊る蝶を見てみれば
この世界の底辺から
理想郷を垣間見るようで

意識の先を現実化したような
不思議な感覚に陥る


ピンク色のネコが
色鮮やかな
森でこっちを見ている

ピンク色のネコが
曇りのない
眼でこっちを見ている

あのネコは
楽園を探していたんだ

遠い場所から
私を呼んでいる気がした


自由詩 楽園 Copyright Seia 2011-11-29 18:18:58
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