嘘つきアルベール
そらの珊瑚
舗石の下には砂
自由の下には旗
投げつけられた火炎瓶
怒号、
硝煙、
五月革命のパリ
嘘つきアルベール
誰しもあなたのことをそう呼んだ
真実ばかりじゃ息がつまっちまう
たまには嘘が必要さ
サンルイ島の夕焼けはルビィ色
どんなに血を流しても
明日には空はよみがえる
嘘つきアルベール
必ず帰ると言ったのに
ブローニュの柘榴はルビィ色
小鳥がついばみ
今日の糧となり喜びになる
嘘つきアルベール
一緒になろうと言ったのに
小鳥よ
枯れ枝になった私の指に止まり、
唄っておくれ
人生は、嘘に満ち溢れていても
人生は、すばらしいものだと