ミスタイプ
餅月兎


ただいぬ

誰の
何の役にも立たない

ただいぬ

いつもひとり
だって珍しいから
そしてとてもありふれているから
みんなが囁き合いながら遠巻きに眺める

頼んでうまれてきたわけじゃないのにね

カンカン照りの中
何処へゆくの
ただいぬ
灼けた道
それでも息弾ませ

ただいぬ

雨の中
何処へゆくの
ただいぬ
泥はねにずぶ濡れ
尻尾はしおたれ

はらぺこが長いので
元気だったただいぬも
なんだか疲れちゃって空を眺めています


おかえり
誰かの優しさで
ただいぬの旅は終わります


自由詩 ミスタイプ Copyright 餅月兎 2011-11-20 07:34:10
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