底無し
マーブル
水色の残像
音響と臓器
独り歩き
輪郭を辿って
わたしの腕は
真空の中の
宙を這う
イノセンス
無色透明?
多色世界?
意味を徘徊しても
文字の乱射と
ヒカリだけが
悲鳴をあげる
自由と愛は
片隅の本能
逃避中毒者の
幻覚は錯乱し
ゼリー状の星屑が
覆いかぶさっては
もうすぐ風鈴が
ポチャンと落下する
ニ度と消えない
爪痕を覚えた
それは予測も憶測も
出来ない昨日の出来事
力が抜ける溜息
その裏で震える指先
夜風の冷たさに
深呼吸して
離脱を噛み砕き
繰り返す脳内
わたしはバラの色だけしか
覚えていない
君は枯れ葉の落ちる音しか
覚えていない
太鼓の鼓動は
墨汁のように
ひとつ
またひとつ
零れて
子宮の奥に
届きそうで
少しだけ怯えてゆく
やがて錆になる
肉体の遊戯は
黒い靴を履いた
天使になるのだろうか
ちいさな狐火が
点在している
歪んだ波紋
混じり合う輪を
眺めている
冷めた眼のわたし
頭上に降り注ぐ
星空がぼんやりと
映し出された
限界を知れば
わたしは無になる
そう確信できている
渇いた喉で
どれくらい
耐えられるかは
死んでも
考えたくないけど