スケベ心
花形新次

海岸沿いの公園の
木製のベンチに座り
僕は深い緑の海を眺めながら
きみの考えに思いを巡らして

沈黙が続くことが
不安な僕は
空を見上げる

 ごらん
 ゆっくり流れる雲が
 きみの横顔に似ている

僕は唇に
右手の人差し指をあて
そのまま空に向けて伸ばす
雲に触れるぐらいに高く

そんな姿を
きみは不思議そうに見ている
 
ここ2、3日で
風はすっかり冬の匂いになって
それに呼応するように
僕らの距離はまた少し縮まって 
もうすぐ直接できるぐらいのところには
来ているんじゃないかな

 そうだよね?

 えっ、何?

暗くなるまでまだ時間はあるけど




自由詩 スケベ心 Copyright 花形新次 2011-11-13 08:19:55
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