白鳥
草野春心



  とても静かな川に
  三羽の白鳥がおりてくるのを
  土手に座って眺めていた
  冬は
  遠くまで澄んでいて
  羽ばたきの音も
  波紋の微かなひろがりも
  すぐ傍らにあるように



  灰色のダッフルコートを着た
  君の肩が、
  僕の肩に
  少しふれた気がした
  白鳥が
  一羽だけ
  淡い光のように
  飛び立っていった





自由詩 白鳥 Copyright 草野春心 2011-11-12 08:19:14
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短詩集