フレンチトースト
冬野 凪
元囲碁部の男は突然雨の中走り出しては女の名叫ぶ
灯台できみと暮らしたいと伝へたがよりよい返事もらへず笑ふ
資本家とお食事しては思ひ出すプロレタリアートつて何だつけ?
尻に敷く『一握の砂』座り心地よく冬の訪れ眺めて過ごす
子どもらが作つた陣地にそれとなく侵食する冬の影たち
目覚めると妻が蛹になつてゐる今朝はフレンチトーストにしよう
短歌
フレンチトースト
Copyright
冬野 凪
2011-11-10 19:03:02
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