わたしの天使は
石瀬琳々

わたしの天使は飛び降りる
高い塔からまっさかさまに
天使は翼を広げたまま
わたしへ向かってほほえむだろう


雪が降るように真っ白に
翼は光る冬のはじめの陽射し


   わたしのもとへ落ちてきて
   わたしのこころへと落ちてきて


この窓をあけてある朝見た空のいろ
いつまでもまなうらに焼きついている
何度も何度もこの窓をあけて生きてゆく
何度も何度も思いはいつも同じでも
どうどうめぐりの河であっても


わたしはここに居る
ここに立って見上げている


ある朝目覚めるよろこび
あれは冬のはじめの陽射し
とても遠い遠い場所から時をこえて
あれは高い塔から降りきたるひかり
それを両手で受け止めるために


   どうかわたしのもとへ落ちてきて
   わたしのこころへと落ちてきて


わたしの天使は飛び降りる
この朝もその朝もめぐるひかり
わたしにやさしくほほえみながら




自由詩 わたしの天使は Copyright 石瀬琳々 2011-11-10 13:49:44
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