雨が如く
TAT


雲が如く
雷が如く






街道をゆく拙者でござる









てくくぶらぶら峠の三吉屋に着いたのが宵で



団子な気分でもなかったが腰掛けれるもんだから腰掛けて



『草団子…』

って




まぁこの『…』にいかに男の色香を漂わすかが岐路なんだがな…








ハズレを引いたら野宿だからな









先の戦でここらの百姓は全部駆り出されたらしい










ババァは止めにして下さい観音様金比羅様裏のお堂の大狸様









そしたら今日は大安吉日








娘みたいな女将が出て来て







他に客もないもんで









旦那が蝦夷狩りにとられた事









ここらは日没が早い事









俺は薬の行商で近江からはるばる来た事







伊勢には一度参るべきだという事









それらをじっくり論じ合い








やがて八重歯の娘大将は









最近ここらも山賊者が出て怖いのだと





時に『そっちは晩の宿あるんけぇな』と







































そう言った















































































俺はつとめて冷静に











『では団子代がわりに番でもしてやるか?』と言った





















そうしたら凄かった





























日照ってたんだろう












五回六回七回と











娘のツラして






まさか般若か山姥かという位






金玉がすっかり空になるまで











寝ずの番で













朝粥を喰いながら暇を告げている時ですら











引っ張り出してくわえやがる有り様だった



















病気を貰っていたらかなわんと



出立の後






物を洗える川を探していたら









鷄の一番声










かと思ったら山賊で












なるほど山賊は口説き文句でなしに本当に出るのか…









年で言うなら
四十頃が六











『やいやい!!』と声をかけられたが同時に




禿げた頭に飛び蹴りと刀と草履で挨拶をして脳味噌を飛び散らせてやった

鬼火突きの不知火斬り

棒手裏剣五本の投げ縄樫木吊りで



屍については特に埋め隠す必要もあるまいと







是を打ち捨てて先を急ぐ事にした










お陰で川で洗うべし脂が増え




随分と辟易した










入鉄砲でも出女でもなし









次の関所もくぐれよう


















間者の里に生まれ



忍の文を抱き











備後の野をゆく











幕府子飼いの狼也











密書の囮が十か二十か知らんが





この筒の中身が『へのへのもへじ』か知らんが












只々









女は抱き



男は殺し




江戸を目指すのみ











銭が出る限りは


















天狗の大軍










山賊の親分の仕返しで

























ござる
































南蛮火薬の










喉仏突き










十六夜

























う〜む











劣勢かも












次に殺すべき












九はどこだ?













































花火が如く





雨が如く










自由詩 雨が如く Copyright TAT 2011-11-08 22:21:34
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