はるびるさ
Lily Philia




(まっかだね。
(もえているんだよ。
(うまれたんだね。
(まっかだね。
(ないているんだよ。
(ないているんだね。
(まっかだよ。
(そうさ。うまれたんだよ。

 その時、拍手は割れんばかり
 消し損じの茜のトーキー

とおく ちらちらと でんせんの
ごせんふ もやされた とりから
いちわ にわ りんこうのあがり
そうか ばくしんだ おとがない
美しいかげの 真上に、
 おちてゆく。 おちてゆく。
           そう。
      いつも聾桟敷から
         ぐらぐらの
          空をみて
ひどい飴色を透かして
生まれたばかりの
ような掌をしていた。

 花のようにひらく光
 ぱちぱちになるんだよ
 (ぱちぱちにかがやくんだよ)
 ぱちぱちだよ ささやくように
        ささやくように
 うっとりとしたまえあしで
 かく。 かく。
 (おいで 掌を握ってあげよう
 おまえ、あったかいね。
おまえ、いきているんだね。

  あつい息 挫折してゆく視点
  なだらかな摩擦音と 温度は
  きざはしから それぞれに
  上昇 そらのあか

 大好きなひとが
 笑っている風景のすてきさ

  もやされては ひらくもの
  そしてつま先に
  一瞬にしてきらめき
  すぎてゆくもの
      ねぇ、あたしたちは
       ましろいましろい
        なみのしたにも
        すこしばかりの
      ひかりをみていた。








自由詩 はるびるさ Copyright Lily Philia 2011-11-06 21:49:32
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