おでんや2
……とある蛙


夕暮れは知らないうちにやって来る
ブラインド越しの窓の外
夜空が突然落ちてくる
ビルの谷間の一角の
ボーッと灯る明りの主は
どこから湧いたかおでんやの
屋台が見える路地裏に
勤め帰りの数人が
椅子もないのに赤ら顔

手に手にコップを握り締め
屋台の縁に顔をつけ
ふーふーおでんを一齧り
その後ぐびっとコップ酒
煽って隣と大笑い
誰も人には注がない
数人みんな、手酌で一杯
注いでコップに口運び
次第次第に赤ら顔

話す言葉は威勢がよいが
話の結末が堂々巡り
其のうち一人があきらめて
ふ〜っとと一息白い息
この白い息はため息か
それとも帰宅のためらいか

ふふっ分かっちゃいるけど
いぎたなく


自由詩 おでんや2 Copyright ……とある蛙 2011-11-06 16:32:07
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