誰も知らない
森未

となりで寝息をたてる君が
本当に君なのかと
疑う夜

このまま眠ってしまえば
二度と目覚めないのではないのかな
とか
(まあそれでもいいんだけれど)

太陽なんてなくって
何かの容器いれものの中で
あくせく動いて傷ついて
それを誰かが上から
にやにや笑って見てんじゃないかって

今日はこの星を落とそうっていうゲームで
どこかめがけて落ちてく光見上げて
「願い事三回」
なんて馬鹿らしいのかも

君やあの子や彼は
今日わたしに話しかけるように
決まっていて
わたしだけがそれを知らないんじゃないかって

素敵な疑いたちが
ぐるぐるとわたしの周りを飛び回る
疑いは疑いのまま
意地悪そうに笑って
実にいい眺めなんでしょうね

真実がほしい
真実はどこ
真実
 真実
  真実
   しんじつ
    シンジツ
     し ん じ つ は ど こ

美しき正しさも
ゆるぎない偽物も
すべては
すべて、疑いの内側で
もやもやしたままルールとなって
日常をつくる

誰も知らないの
誰も知らない、そのことを
誰も知らないの


自由詩 誰も知らない Copyright 森未 2011-11-05 21:20:32
notebook Home 戻る