攻撃はいつも後ろからはじまる
るるりら
人類諸君 諸君らの敵は人類である。
ちきゅうえい】という言葉を 覚えて以来、基本 ご機嫌だ。
地球影とかいて ちきゅうえい。ちきゅうゆうえいとは 関係ない。
澄んだ空の朝が夕方に 見られる現象でお日様のある方角とは反対の方角の空の下層部が青く そして その上は ピンク色を発色する現象で 地球が丸いから 日没や日の出の時刻の太陽光線をうけた地球の影が 目視できるというもの。影のある人というと いうことばはあるけれど、地球だって 影がある。 地球にも背後というものがある。それは 青みがかった色をしている。
街ではもう来年のカレンダーが売り出されている。十月すら 終わろうとしているのだから 当然だ。おもえば、今年は奇妙な観念に憑かれていた。
ある時は、このゴルゴンダの街にも 黒い雨がふっているというような
かしげた背中に 黒い雨がふっているかのような
ある時 一瞬、勇ましい気持ちになつた。棺の中から英雄が確かな道を示し、それが水没し行方も解らない人の心を代弁してくれたかのような
しかし、 ちきゅうえい】という言葉を 覚えて以来、わたしは、生国を得た。二日も続けて 地球の魁の時間の夢を見た。眼前に広がる水平線 そして それに続く 地平線。昇ろうとしている太陽を背にした方角、つまり西の空の下方が青い。そして その上部にピンクに色づいている。時間の経過とともに下方の青い部分は消え、ピンクが 地平線と空の接した面を覆う。地球の影が見える時間が過ぎたからだ。そんな 夢を見た。
この星は 一個の命だ。一個なのだから 人格ならぬ 星格のようなものだってある。この星の海で たった一粒の命が36億年前に生まれた。いきとし いけてる生き物の祖だ。芥子粒と人の命と歴史は同じ36億年。二足歩行の私たちが 黒い雨の原因だ。
人類がしでかそうとしてきたことは、人類がしでかしたことだから人類だけの背後にその罰が与えられるのではなく、この星 全体に その罰は及ぶ。それでわたしたちは 今年一年 うちひしがれたり、運動を起こしたり、はげましあったり、なじりあったりしてきたのだ。
だけど、二歩歩行のうちの一匹として、わたしは 想う。わたしたちは ひよこだ。まだ 学べる、わたしたちが一個の命であることを みなで 学べる。敵は私たちか?
わたしは、叫ぶ「ピィ」 ひよこの 一声。
数多い生命のうち 二足歩行が一番、背後を知るのに適している。おはよう。さあ、眼前になにがあるかを見よう。それは 絶望だけか?
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るるりらの 即興ゴルゴンダ