午後四時
オイタル

窓のカーテンが膨らんだ
だれもいない図書室の
午後四時

窓の桟のすぐそばに
白い紙きれを落とした
午後四時

憎まれたことのない私の
憎まれてしまった十月
何も知らず 何も気付かなかったことにして

窓の下の
枯れた花が背高く並ぶ花壇に
答えのいらない手紙を投げる

もう 悩むことにも飽いた
冷たく 風もない 午後
その 午後四時


自由詩 午後四時 Copyright オイタル 2011-11-04 21:08:11
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