小さな町

とても とても 小さな町から
とても とても 遠くの町へと
列車は少年を連れ去った

絵に描いた景色が
車窓に飾られてく度に
少女の声はひび割れていった

小麦色の雲の間で  見えない鳥は踊っている
海に浮かぶ星の下で 見えない魚が歌っている

とても とても 小さな町から
とても とても 遠くの町へと
列車は振り向かずに

とても とても 小さな町から
とても とても 遠くの町へと
少年は故郷を忘れ去った


自由詩 小さな町 Copyright  2011-11-04 04:28:12
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