滑走路に並んだ灯は青と緑と黄色と赤と
空中分解
部屋の壁に
窓からもれた街灯のあかりが
色のない夜を映す時間に
路上で叫ぶ人影は
ざわめく静寂を打ち破り
揺れながら走る鼓動を示す
微かによどみ火照った体は
忘れた痛みをそれに同調し
過去を今に置き換える
星が少し傾いて
それらの会話が終わりを向かえる頃に
今は過去に舞い戻り
ああ痛かったと涙を流す
邪悪でぬれた心の中で
見え隠れする思い出に
会いたかったと息をもらす
それでも壁にあたる光は
少しも動揺せずにこちらを見て
色のない夜の終わりを告げる