滑走路に並んだ灯は青と緑と黄色と赤と
空中分解

部屋の壁に

窓からもれた街灯のあかりが

色のない夜を映す時間に

路上で叫ぶ人影は

ざわめく静寂を打ち破り

揺れながら走る鼓動を示す

微かによどみ火照った体は

忘れた痛みをそれに同調し

過去を今に置き換える

星が少し傾いて

それらの会話が終わりを向かえる頃に

今は過去に舞い戻り

ああ痛かったと涙を流す

邪悪でぬれた心の中で

見え隠れする思い出に

会いたかったと息をもらす

それでも壁にあたる光は

少しも動揺せずにこちらを見て

色のない夜の終わりを告げる


自由詩 滑走路に並んだ灯は青と緑と黄色と赤と Copyright 空中分解 2011-11-02 15:59:50
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