ミスター・ホリディ!
左胸に風穴をあけて
そこから空の碧
突き抜けてる!
なんてチャアミング!


海沿いを奔るだけの
汽車に乗り込んで
あの変な容器に入った
お茶を呑もうよ
あれダイオキシンとか
出てそうだよね
ホリディ:環境ホルモンのことだろ
おお、なんてシニカル！
穴からお茶が
こぼれてるよ
ホリディ！


汐風が通るとき
１２対の肋骨が
うたをうたうんだ
ひとつめが
ラで
ふたつめも
ラで
多分みっつめも
ラだな
と思ったら
ミだった

ホリディ！
もっとパセティックに
鳴らしてよ
渚で出逢った
女の子みたいに


灯台がみえてきたら
もう
おしまいだね


ポケットにかくしていた
冷凍蜜柑
ぐちゃぐちゃだよ？
君の舌足らずな
「ちべたい」
が好きなんだ
いぢわるしてごめんね
一緒に
ぐちゃぐちゃの冷凍蜜柑
たべようよ
よっつ入りだから
あたしがみっつね


ねぇホリディ
お別れの前には
花を摘んでよ
両腕に抱えられないほど
たくさんの花を
そうしたらそれを
ぜんぶ海へ
投げ捨ててやるんだ

ホリディ！
さよならなんていっちゃ
やだよ


君の左胸に沈む
夕日が観たいんだ