乾/湿
アラガイs


なんという晴れやかさ

観葉植物の鉢は昨日まで湿っていたのに

靴跡がすでに乾いているのは
なんだか気持ちわるい

しきりに動きながら立ち止まる女性
俯いた姿勢に脚もとの切れ端がわからなくなる

ぼおー と 雲を眺めたらどこかで聴いたステンカラージンの歌を思い出していた

漆喰もこれほど早く乾けば刺風に罅割れてしまうだろうと

額から汗がながれおちれば手のひらが皺だらけになる

できるだけ熱い吐息は閉じ込めておくように

今夜は一段と寒くなりそうだ 。








自由詩 乾/湿 Copyright アラガイs 2011-10-31 16:51:33
notebook Home 戻る  過去 未来