中略
かんな
現実はどこまでも
不確かだから
その愛し方を教えてほしい
+
これはあくまで想像だけれども
わたしやその他の女性を抱くとき
あの人はことばの風景の中にいて
女というひとつのことばを
必死になって探索していたんじゃないだろうか
+
半透性の内膜は小ぎれいなおもいばかりを浸透させる
+
難しいことばばかりつづれない
だからわかってほしい
なんて感傷をいつも抱いている
簡素なことばばかりを吐けば
どこかでだれかと
いつでも繋がれるような気がしていた
+
名前はいらない
思い出せないまま
呼ぶことの意味さえ放棄して
今日このまま
あの人を忘れようとおもう