箱
一酸化炭素
箱のなか
真っ暗な箱のなか
起きたら箱のなかにいた
頭は妙にさえていて
箱のつなぎめさがしてみたり
押したりしてみたり
最初はでようとしたんだ
暗くてなにもみえないし
元より
箱のなかにいるかもわからない
時間がどれだけながれたか
僕は昔から肌がよわいから
すぐにかゆくなって
腕時計なんてつけなかったし
元より
暗くて見えない
ここがどこだか
あの笑顔がきにいにいらなくて
方向おんちだけど
道案内アプリには世話になってない
元より
携帯なんか
暗くて見えない
この箱がなんだか
別に黒い球体があるわけでもないし
奇跡の鳥を殺したりもしてない
元より
箱なのかさえ
暗くて見えない
時間も
なくて
場所も
なくて
存在も
なくなって
できること
たくさんしてみた
壁をたたいてみた
音がした
とんたんとんたん
とんとんたん
ちょっと壁がへこんだ
助けがこないのはわかってたし
壁がこわれないのもしってた
叩いて
壁に丸をかいた
暗くて見えないから
以外とたいへん
ドラえもんのえかきうた
まるかいて ちょん
そうだ、
僕を救う神をかいてみよう
やっぱり頭はよさそうな
あぁ
飛んでつれていってもらおう
時間とかも司ってて
名前考えよう
下にかいとこ
かっけいい名前
子供のときにいっぱいノートにかいてたな
ああ、つまらない
誰がいないかな
一緒に話したりできる
かわいいこがいいな
壁にほってみよう
胸とか やわらかくて
くびれはほしいな
うん
かおはいいや
暗くて見えないし
おなかすいたな
ねむいし
ちょっと寝ようかな
なんだかあったかくなったし
おやすみなさい
きこえてないかな
続きはまたこんど
僕がおきたら
できれば
箱からでたいな
ここまで聞いてくれてありがとう
君がいてよかったよ
でも、ねえ
どうしてなにもしゃべってくれないの?
箱は
いいところでしょ?